この日はデッサンをテーマにした初めての企画でした。イーゼルを立てる光景は珍しいものでした。折り畳みイーゼルとMDF版による簡素な仕立てで満足にデッサンができるか多少不安はありましたが、思いの他安定していて、私としてはなんらストレスなくできました。光源は特にこだわったものでなく、真上からの部屋の明かりの下と設定しましたが、分かりやすく光が落ちてくれました。今後はこのような条件で、デッサンから彫刻へスムーズに移行できるとよいと思います。
いつもはZburash でモデリングされる高橋氏は、この日はプロクリエイトという描画ソフトでデッサンをされました。デジタルでは様々な画材の表現が扱えるようで、タブレットで描かれたものですが、まるで木炭デッサンのような表現になっています。
西田氏は前回からのモデリング作品の継続でした。半面が解剖モデルになっています。ここまでつくるとかっこいいです。
著者のもの。反省点も多々ありますが、固定ポーズデッサンを通して得る感覚、ここにかかっていた埃をぬぐえた気がしました。 今後はこのようなデッサンを数枚使って大方の立体の下地をできるだけ作り、現場での時間を有効にできたらいいとおもいます。
この日、勇気を出して初めて長時間デッサンに取り組まれた方もいらっしゃいます。
ここでのデッサンはあくまでもモデリングにつなげるのためのデッサンですから、絵の上手い下手ではないのですが、長時間になるほど誤魔化しのきかないものが露呈されがちです。久々なり初めてなり、挑戦された方々には敬意を表します。
陰影、鉛筆の濃淡を用いての形の表現、空気遠近法での奥行きの表現、各種画材の扱い方など、理解と習熟が必要ですが、奥行きまで表せるようになると、紙の中で立体造形をシュミレーションできます。このプロセス(デッサン)で、立体に取り組む前に、モデルの本質的なものや、存在をあらかた制作者の頭の中に入れることができます。立体造形がスムーズにいきますので、デッサンに挑戦してみてはいかがでしょうか。
今回は一回のプロトタイプなデッサン企画なので、モネさんでの制作は一旦終わりです。
次回は4月30日と5月1日に企画があります。